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Only you……
第4章 明 2

そんなことを考えていると、オレは眠れずにただベッドの上で2時間も潰していた。

麻都はまだ帰っていない。なんだか最近帰りが遅い。オレが作った夕飯を食べないことも多くなった。せっかく作って置いておいても、次の日の朝捨てることになったりもした。

結構悲しい。

でもそれを責める権利も、理由を聞く権利もオレにはない。そこまで干渉する必要もない。オレは今朝も黙って麻都の好物の生姜焼きをゴミ箱にぶち込んだ。好物だったら口にしてもらえるかと思ったが、そんなことは全然なかった。

――まるでオレみたい。

ゴミ箱からオレを見上げる生姜焼きを見て、そんな風に感じた。麻都はオレに見向きをしなくなって、そして簡単に捨てるんだ。

「はぁ」

ため息なんかを漏らして、オレはフライパンを洗った。冷たい水が手に染みる。最近オレの手はあかぎれで酷かった。血まで出したりして。絆創膏でぐるぐる巻きにすると、部屋の掃除をする。

「はぁぁ……」

またため息が漏れる。最後に麻都と話したのはいつだろうか。もう5日も前だ。同じ家に住みながら、全く話さない。麻都が帰ってくるのが遅いから。

今晩だってきっとそうだろう。帰ってくるのはオレが眠った後。そして起きるのは、オレが目覚める何時間も前。

置手紙も一言“飯はいらない”になった。他には何もかかれていない。毎日毎日同じ。

そんな一日を終えて、オレはベッドに横になっていた。そしてまたため息なんかをつきながら瞼を閉じる。独りでいるとこの巨大なベッドがより広く感じられる。

「もう飽きたかな……」

独り呟く。同居して3ヶ月。良くある別れの時期だった。

「明日早起きしてみようかな」

麻都が起きる前に目覚めて、朝ご飯を用意して。そしたらまた、オレの方を見てくれるのだろうか。

そうして今晩も眠りについた。孤独な夢の中へ―― 。
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