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第3章 だって・・

美佐江の中に最後に夫が入ってきたのは

もう１０ヶ月も前の事。

それ以来キスさえしていない。


セックスレス・・


そもそも夫はセックスに執着がない。

付き合っていた頃はまだ２０代。

彼にもそれなりに性欲はあったが、

会うたびに求めるようなことはなかった。


３０歳で結婚して５年くらいは子づくりに励んだが、

美佐江が妊娠しにくい体だと病院で言われてから

求める回数はぐんと減った。

さすがに１年無い、というとこまではいかないが、

今１０ヶ月越えということは

このまま悪いペースを保ってしまえば

初の１年越えとなる可能性もある。

夫がいながら乾いていく自分の体が

哀れでならない・・

不倫をしている友人の話を聞くたびに、うらやましいと心底思った。

そんな危ない火種を抱えていることを、

この瞳が訴えていたのだろうか。


おまえの眼がそそる・・


男として意識している和樹には、

心に秘める野望を

見破られたということなのだろうか・・