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第31章 心が綺麗な人

「アカリ…俺は…

お前を傷付けてばかりだった。


本当にごめん。」



「やめてくれる？

何年か前もそんなこと言われたわね。



いいのよ。



でも今回は本当にさよならしましょ。」




アカリさんは私たちに背を向け歩き出した。




そして、後ろ姿を見送る私に



「優の初めては私が頂いたわよ。」



と捨て台詞を吐いていった。





「なっ…」



驚く優ちゃんには視線を送ると
優ちゃんは明らかに動揺していた。




「優ちゃん…

今日、覚えといてよ…」




そう言うと優ちゃんの顔が近付いて



「お前は康太にあげたのにな」


低い声でそう呟くと

耳にキスをしてきた。



「さいっってー！」






私たちは知らなかった。

アカリさんが涙を流していたなんて…。