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あなたとふたり
第28章 その手を離すな
資料室についた私は昨年度の資料を探していた。
すると…
「おい。」
と声がした。
「優ちゃん…」
そこには入り口で腕を組む優ちゃんの姿。
「何?自分で探すの?
てか、何で私なのよー?」
そう言ってまた、資料を探し始めた。
「あっ。あった」
資料のファイルに手を伸ばした瞬間…
あの時と同じように後ろから手が伸びてきた。
「危ないですよ。無茶をしては」
あの時と同じ…。
「もうっ!ふざけなっ…」
その腕の力が込められ
私は優ちゃんに抱きしめられた。
何度、抱きしめられても…
ドキドキする。
優ちゃんの温もりも…匂いも変わらない。
「こうしたくてお前を呼んだ。
怪しまれたらごめんな。」
何も言えなかった…
私は優ちゃんの腕に手を添えて
ギュッと軽く力を込めた。

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