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第17章 すれ違う2人。繋がる2人。

………もう涙は出なかった。



「康太、貸して。」

康太は私に電話を渡してくれた。


「優ちゃん？」

『遥香…っ。
お前…なんでそこにいんだよっ』


優ちゃんの声は震えていた。


「優ちゃんはなんで玲奈といるの？」


『…玲奈を1人にできなかった』


「康太も一緒だよ。」


『はっ？』

「私を1人にできなかったの。」


『…………………』



「信じてるから。優ちゃん。

玲奈は大丈夫なんだよね？」


『……あぁ。今、眠ってる…』


「そこに…泊めるの？」


聞いたらいけないって解ってた。
自分が辛くなるだけなのは解っていた…

なのに聞かずにはいられなかった。


『……あぁ。』


「わかった。康太に変わるね」



それ以上はもう何も聞きたくなかった。
何も…考えたくなかった。

何も……。