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第11章 結婚宣言

秋が訪れる頃、圭一の様子がおかしいことに千尋は気づいた。

しかし、千尋自体、何がどうおかしいと、口に出してうまく言えない。
結局、口に出さないまま数日が過ぎていった。


『ちょっと出掛けてくるな。』

『え？どこ行くの？』

『うん、ちょっと。』


千尋はさすがに不安を覚え、｢浮気？｣ を疑った。最近、こそこそ電話をかけては、千尋を見ると｢切る｣みたいな…


圭一は、小１時間程で帰って来た。


『来月末辺り、店を一週間休むことにしたから。』

『え？えーっ？！』

『出掛ける。ちいの実家に行く。もちろん、ちいも連れて行く。』

『あたし…何か…した？圭ちゃんのこと、怒らせるような…』