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理想と偽装の向こう側
第16章 懐古
「まだ22時前だよ…そんなに疲れてないから、まだ眠くないよ」


えっ!


俺は時計を確認した。


「あっ…そうだよね…まだ早いよね!ははは~!何か適当に飲んでな。 」


光花の濡れてる頭にポンっと手を置いて、風呂場に向かう。


別の意味で、俺が疲れそうだ…。


「はぁ~」


ため息と共に、勢い良く吹き出すシャワーのお湯を顔に浴びせた。


◎ ◎ ◎ ◎

肩にタオルを掛けながら、風呂場から出ると、光花は体育座りしながらテレビを観ていた。


その後ろ姿は、本当に華奢で小さくて可愛いくて、力任せに抱き締めたら、壊れてしまうんじゃないかと思った。


「光花…何か面白いのやってる?」


「ううん~あんまり無いかな」


振り向きながら、笑顔で答える。


こんな毎日が、過ごせたらいいな…

無意識に思いが沸き上がる。


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