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片想いの行方
第63章 2人の蓮
「……片道のこのフライトが終わったらオフだから。
5日前にエステで磨いたこの体、お召し上がりいただけますか?」
瑠璃は声を小さくして、俺の耳元で囁く。
……ったく。
冗談だか本気なんだか……
「……仕事は明日には片付くから。
ぜひ、堪能させてもらえる?」
「喜んで。
離れて気持ちを再確認しちゃったから、今凄く寂しいの。
……分かってる?」
「あぁ。
やめてって言っても一晩中続けてやるよ」
……って俺、なんつー身勝手な発言してんだよ……
自分にげんなりしている俺を見て、瑠璃はクスクス笑うと
おもむろに、胸のポケットからペンを取り出した。
「蓮、左手出して」
「………?」
シートベルトを締めて、言われるがまま手を差し出すと
俺の手の甲に、瑠璃はペンを走らせた。
「はい、花丸あげる」
「…………!」
「頑張ったね、蓮。
よく出来ました」

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