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片想いの行方
第23章 月灯り、我を忘れて…
あたしの声にビクッと体を強張らせて
蓮くんは手を止めた。
「………っ」
一瞬、今のお互いの状態を無言で見合ってから
蓮くんは、ザザザァっと水しぶきをあげて、すごい勢いであたしから体を離した。
パシャパシャとプールの水が揺れている。
だけどその音よりも、心臓のドキドキの方が遥かに大きく響いていた。
「……れ、蓮くん……」
か、顔から火が出そう………!
「……俺……な、何して……」
蓮くんは呆然として、自分の手を見つめたあと
あたしに目線を移して、放心したまま口を開いた。
「……香月…ごめん……」
「…えっ? あ、あの………
いえ、こちらこそ……ごめんなさい……」
「……え……?」
「……だ、だって……
最初にしたのは……あ、あたし……」
「……………!」
わ……
わぁぁぁぁぁ……!
も、もう心臓が破裂しそう……
神様
この状況どうしたらいいですか……!!

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