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第4章 ～　ご主人様を想う　～

慎二さんのメールはまだ続く。


　『> 慎二さまの以前の奴隷さんは、恋愛ではないですよね。


　> 知性、教養、精神力、全てに圧倒されました。
　> 敵わない…。と、初めて感じました。
　> だから、奴隷にして下さい……と。


　>この文面からそう判断いたしました。
　>読み違えていましたら、申し訳ありません


　そうです。
　メールがきっかけで、お話をしました。
　彼女もＭ女で、縛られたい願望があるので、叶えてくれませんか。
　と、お願いしてきました。
　離婚して数年経っていて、お子さんのいる裕福な方でした。
　ななさんと同じような期間、お付き合いしている彼がいました。


　先夫も彼氏もノーマルだったそうです。
　一度、彼に勇気を出して、
　「縛って下さい。」と、両手を差し出したそうですが…。


　私は、彼女から、そのような事情をお聞きし（私は強制しませんでしたが）
　まだ、彼女は、彼に気持ちがあると理解していました。


　調教を進めると、
　私と会うたびに、彼女は、
　「友人知人から綺麗になった。」
　「魅力的になった。」
　と、いわれるのですよ…。と、嬉しそうに話していました。


　彼女の意識が変化したのではないかと思います。
　彼女は言いました。
　今まで、自分は気まぐれで、わがままな性格だったけれど
　落ち着いてきたのではないかと……。


　慎二』


冷静なわたしが、違和感を感じた。


慎二さんの文章を読んで、そうなるべきというか……。


慎二さんの思い描いている理想を


押し付けられているような……気がした。


こんなふうに違和感を感じることが、


すでに間違っているのだろうか。


奴隷という生き方は……こういうものなのだろうか…。