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喘ぐなら、彼の腕の中で
第15章 あと、もう少し
「芹澤。 お前はまだ言葉を理解できるだろ。
1度しか言わねぇから良く聞け」
莉央はドスの効いた低い声でそう言うと
芹澤さんの首元を掴んでグイッと持ちあげた。
「あの女を彼女にしたのはお前なんだ。
責任もって最後まで面倒見ろ」
「……っ」
「仕事以外では今後一切、沙月に近付いたり発言するな。
そうすれば全て目を瞑ってやる」
「……!」
「この警告をお前が守れないなら
……俺はお前を本気で潰す」
莉央は扉をガラッと開けて、芹澤さんを通路に放り投げると
縮こまった彼に向けて言い放った。
「更生することを祈ってるよ。
入社した時から、なぜかお前は俺を目の敵にしていたけど。
部署もタイプも違うんだから、変な闘争心燃やすなって」
「……み、宮本…」
「同期なんだし、これ以上内部紛争するのは止めようぜ。
お互い会社の利益の為に、ガンバッテ働きましょう」
放心する芹澤さんに向かって
莉央は扉を閉めながら舌を出した。
「以上。 消えろバーカ」

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