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私達が人間を辞めた日
第5章 真性の服従者

「17番!!出ろ!!」
暇をもて余していると見るからに下っぱらしい作業服の男が叫ぶ。
...17番...ああ...私か...
全く...番号で呼ばれても実感が沸かない。勝手に拐って来たなら名前くらい覚える気は無いのか...どうせ私の私物も奪ったんだろう。それで名前くらい解る。
それに「出ろ」と言われても出れないじゃないか...出ろという前にまずは鍵を開けてくれないと...
一瞬の内に複数の文句が浮かぶが、言っても無駄だろう。
「手を出せ!!」
そんな大きな声出さなくても聞こえるよ...素直に従い小窓から手を出すと手枷が着けられる。
うわぁ...大の男がこれとか...どうせ逃げられないじゃん...それともこんなプレイなの?
次に鍵が開けられ檻から出る。おもいっきり背伸びしたい願望に襲われていると首輪にリードが繋がれる。どこまで保険を掛けるつもりなのか...
その後は「洗浄」と称してカビ臭い部屋で体を洗われる。
今更裸を見られても恥ずかしくもないし、昨日入浴できなかったのだからしっかり洗って欲しいくらいだ。
粗末なプロセスを踏んだ後、趣味の悪い扉の前に立たされる。廊下の上等な絨毯の感触は悪くないが、せめてスリッパくらい欲しいものだ。
扉が開いていく...寿といったか...私を抱く男はどんな男だろう。
昨日はお預けをくらったから楽しめればいいなぁ...
ここに来てもそんな呑気な考えが浮かぶ...

