この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
その、透明な鎖を
第8章 認めたく、なかったのに
「――――っ……」
悠斗は、凛から目を逸らした。
凛のその戸惑いを目の当たりにしたことで、自分の欲望がすうっと萎えていくのを感じて。
――何やってんだ、俺。
彼女を組み敷くようにしていた自分の身体を、そっと起こす。
「……ごめん」
呟いて、両手で顔を覆い。
そのまま髪をかきあげた。
思わず漏れた溜め息。
「……悠斗」
凛は、そっと手を伸ばして彼の腕に触れた。
――びくっ、と。
彼の身体は反射的にその手を拒んで。
「……悠斗?」
さすがに彼女も気づいたようで。
すぐに、手を引いた。
「……ごめん。やっぱりいい」
彼の言葉に、え……? と小さく呟いて。
「無理強いして、ごめん」
凛の身体に跨がるようにしていた自分の足をどけながら、悠斗はそう言った。
横たわる彼女に背を向けて、ベッドから足を下ろす。
息を吐いて、彼は気持ちを落ち着かせようとして。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


