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その、透明な鎖を
第5章 夏が始まる
――凛、いったの……?
悠斗も、はあっと息を吐いて。
彼女の足の間から、静かに身体を起こす。
口のまわりが、彼女の蜜でべとべとで。
腕で、ぐいっとそれを拭う。
凛を見ると、胸を上下させている。
目も閉ざされたままで。
「……凛?」
そっと、呼びかけると。
彼女はゆっくりと、目を開けた。
「気持ちよく、なれた?」
「悠斗……」
彼の言葉に、彼女は彼へと腕を伸ばし。
その身体を抱き締める。
「すっごく、よかった……」
彼の耳元に囁いて。
かぷっ、と。そのまま耳たぶを咥えた。
「うあ」
咥えたまま、舌をちろちろと這わせ。
「ちょっと、凛っ」
ぶるっ、と。
彼の身体が反応して。
やがて解放されたその耳元に
「今度は私がしてあげるね」
そう……囁かれて。

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