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第1章 相田さん

いつものお仕事前のメールだ。
初めてのお客様の時はいつもどきどきする。


１７時に事務所を出て、相田さんの待つホテルへ。

よく利用するホテル。

ホテルリバーサイド302

フロントで部屋番号を告げ、エレベーターをあがっていく。

深呼吸をして、鏡を見て、笑顔の練習。
いつもドアの向こうには大好きな人が待っている、
やっと会えた

そんな気持ちで入室する。
なので私はお客様に恋をしてから、部屋に入る。

ゆっくりとチャイムを押す。

ピンポーン


ガチャリ


扉が空く。


どきどきどきどき・・・




「こんにちわ！」


『やあ、こんにちわ。きいちゃんだね？入って入って。』


そう言って５０代くらい？の背が高いとは言えないし、
引き締まっている体ともいえなさそうな、
本当にどこでもいるようなおじさんだった。
とても優しい笑顔で迎えてくれた。

「お邪魔します・・」



入室して、扉を閉める。