この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
だ〜いすき!
第3章 花火大会の夜は切なくて

「ほら、華子。目が泳いでる」
「え…」
「俺に内緒で、いったいなにしてた」
「それはっ――、」
「…実は、修司に会ってた、とか、……なんて、な」
「っ、ちがう、ちがうよ、ようちゃん!
私が一緒にいたのは―――」
「ほら、嘘ついてた」
陽輔の口にした“誰”っていうのが修司を意味しといた事を知り、思わず口走ってしまった華子。
本当はもっと違う形で説明したかったのに――…そう思う華子けれど、もうそれはあとの祭りで。
“――――なんて、な”修司の名前をだした後の陽輔の皮肉めいた笑み。
その笑みが、瞳の奥の不安の原因であることを物語っている。
早くさやちゃんとの事を説明し、誤解を解かなきゃなのに、陽輔の勢いに押されてしまい、華子はなかなか口にするタイミングを掴めずにいて――…。

