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宵闇
第13章 衝動

「ん……!」
その勢いに押され、少し後ずさりした私は背中を壁にぶつけた。
思わず腕を伸ばすと葉月くんはその両腕を捕らえて壁にそのまま押しつけた。
私の自由は奪われ、葉月くんがするその扇情的な口づけにただただ必死で応えるしかなくて。
「……んっ……ふ、ぅん……!」
くちゅくちゅっ……といやらしく響く口づけの音。
鼻腔から漏れる息。
葉月くんの、熱い吐息。
すべてが絡み合って溶ける。
……身体が、熱い────。
──やがてようやく解放された唇。
身体の力が一気に抜けてよろけた。
「──っと」
葉月くんがすぐに支えてくれて崩れずには済んだけど。
「琴音」
息を荒くしている私の耳元に唇を寄せ、そっと囁いてくる。
「……まだキスしかしてないよ?」
「────っ……!」
その言葉に身体の芯がさらにぞくりと疼いた。
まだ。
……そう、まだキスだけなのにこんなになってしまった自分。
どうしよう。この先の展開に私は耐えられるんだろうか。

