この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
淫と乱
第2章 ヌメヌメ
そして気付けば、小さな公園の前に立っていた。
小さい頃に遊んだ記憶のある公園。
あの頃は広く感じた公園も、大きくなってから見てみれば、その狭さに驚いたものだった。
「ここまで来れば………」
辺りに同窓生の姿は無かった。
いつもより早く歩いた為に、僅かに息が乱れていた。
普段は何気なく前を素通りするだけの公園。
疲れもあって、数年振りに脚を踏み入れてみた。
…確か…此処にベンチが………
微かな記憶を頼りに、植栽で入口から隠されたベンチを探す。
L字型に折れ曲がった小さな公園。
入口から数歩進むだけで、様変わりした風景に目を見張る。
…滑り台とか…シーソー……あったよねぇ………
残されたブランコは鎖で繋がれ、ジャングルジムは簡易な柵で使用を禁止されていた。
…少子化だから……なのかな………
気にしながらも歩みを進めれば、折れ曲がりの角に目的の物はあった。
「はぁ………」
思わず溜め息が溢れた。
寂れた公園の割りには小綺麗なベンチに座りながら、改めて辺りを見回した。
「あのトイレは…相変わらずなんだ………」
掘っ建て小屋の男女兼用トイレ。
余りの汚らしさに、昔は入るのを嫌がっておもらしをしたものだった。
「………遠い過去の事よね。小さい時だし………」
恥ずかしい記憶を思い出して、思わず遠くを見詰めた。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


