この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
彼依存
第11章 記憶の一部
学校から帰るとお母さんが
笑顔で迎えてくるれた。
お手伝いさんが煎れてくれた紅茶を
乾いた喉に流し込めば
今までの生活が嘘のように感じた。
「明日はお父さんと映画に行くんでしょ?」
私は思春期とはいえ
お父さんの好意を無駄にはできなくて
誘われた映画に行く事にした。
口ではしょうがいからと言いながらも
やはり父親ができた事で
嬉しく思う気持ちも隠せずにいた。
「ふふっ、可哀想だからね」
お母さんは私の心中を悟ったように
口元に手を当て笑ったの…
その翌日、
楽しみにしていた映画は
キャンセルとなった。
リビングに響くお父さんの怒鳴り声は
大きな家の廊下にまで響いていた。
初めてきいたお父さんの声に
私は映画の話なんて切り出せず
お洒落着を脱ぐ事しか出来なかった…
言葉に出さずとも
行かない事を了承したように。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


