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マネキンなカノジョ
第3章 カノジョとアルコール
「えー…見せるのぉ?」
…そうっ…そうよっ、明日香っ…
拒否るのが普通なんだからねっ?
「大丈夫だってぇ。オレらしか居ないんだしさぁ」
横で明日香を唆【ソソノカ】すヒデアキをキッと睨み付ける。
「でもぉ……」
「ほら、この娘困ってるじゃないっ。
それに、通路から見えちゃうでしょっ」
出入り口のガラスが嵌まった扉を見遣って、明日香に助け舟を出す。
「そんなのは……ほら」
ケンタが手元のリモコンを弄る。
目の前で、徐々に曇っていくガラス。
やがて通路が見えなくなった事に、得意満面の表情を見せるケンタを睨む。
「ほら、これでバッチリだよアスカちゃんっ」
目が血走ってそうなヒデアキの声に、距離を少し空けるように横に擦れる。
「ちょっと…アンタた…」
「もぉ…しょうがないなぁ………」
恐れていた言葉が、顔を赤らめた明日香の口から飛び出した。
「そうこなくっちゃっ」
「アスカちゃん、ノリいいねっ」
途端に燥ぎだすチャラ男コンビ。
「ちょっ……」
吐きかけた言葉を飲み込む。
いつも以上にはいはいと言う事を聞く明日香に言っても、今更どうしようもない事に気付いた。
…もう……どうして……
せめて見ないで置こうと顔を背けた時、チャラ男コンビの歓喜の声が耳に入った。

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