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~散花~
第44章  傷心と浄化

「御酒をお召し上がりくださいませ」

朱佳は長柄の銚子を手にしていた。

よくよく辺りを窺うと他の座席でも、内侍たちが、自分の主人の一つ上位の妃のもとへお酌して回っている光景が広がっていた。

加蓮もまた、いつの間にか皇后の席に参上し御酒を勧めていた。

ふと、皇后がちらりと視線をよこし、玉蘭は目礼を返した。

それから皇后は盃を取り加蓮の酌を受けると、一口、二口、小さくあおった。

その姿に、玉蘭は無意識にホッと胸を撫で下ろした。

撫で下ろしてから気づく。

(なるほど…)

このお酌に込められた意味がわかった。




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