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第44章 　傷心と浄化

あの夜、

目を覚ました秀瑛に、玉蘭はなにげなく尋ねてみた。

｢ユファさん…って、どなたですか？｣

すると、秀瑛はとても驚いたように目を瞠いた。

寝言で呟いていたことを伝えると、困ったように、悲しそうに、照れ臭そうに、目を逸らされてしまった。

しかし、暗がりの中でもわかりやすいその表情で、玉蘭はすべてを察してしまった。

(あぁ…そうか…。秀瑛さまは、その女性のことが好きなんだ…)