この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
~散花~
第24章 運命

最後に残った一軸を女官長がおもむろに捧げ持つ。
玉蘭は固唾を呑んだ。
留め具が外され開かれる巻物。
その文面に視線を落としたとたん、女官長が固まった。
「こ…これは!?」
瞠目して玉蘭を見る。
(な…なに?)
再び書面に目を落としては、玉蘭を見る。
巻物の装幀を確認しては、玉蘭を見る。
女官長の手は震えていた。
「女官長さま…いかがあそばされましたか」
不審な挙動を訝しみ、背後の女官が小声をかける。
正気に戻った女官長は取り繕うように背筋を伸ばした。
息をひとつ吐く。
「上意である。琳玉蘭」
「はい…」

