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~散花~
第24章  運命

「旻凉々を

   第九夫人に叙す」



女官長が読み上げると凉々は顔を上気させ、いつものツンと済ましたポーカーフェイスからは想像できないような可愛らしい笑顔を浮かべた。

心底ほっとしているらしいことがわかる。

女官長も満足げに頷いた。

「気品と聡明さを存分に兼ね備えたあなたなら、きっとやんごとない御位を授かると信じていましたよ。これはおそらく、側妃筆頭の趙・第七夫人さまに次ぐ高位となるでしょう」

「ありがとうございます、女官長さま…こんなにも光栄なこと、生涯ございませんわ」

「しっかり、帝にお仕え申し上げなさい」

「はい! 謹んでお受けいたします」

最敬礼で額づき巻物を受け取ると、

「おめでとうございます、旻夫人さま」

座敷に面した広廂に居並ぶ女官が声をそろえた。



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