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毒舌
第20章 初恋
冗談じゃないわよ。
無抵抗に抱かれろ、とか
トビが妄想だ、とか
今まで言われた
酷い言葉の数々が
頭の中を駆け巡る。
冗談じゃないわよ。
凍り付いてる
イッちゃんを残して
私は
ベランダの窓を開けた。
バルコニーというには
あまりに狭いそこから
町の明かりを見下ろす。
遠くには
街の夜景も
広がっているけれど
この辺は
ひっそりと静かなものだ。
真下には
人もいない小さな公園、
この部屋は五階だから
落ちたらきっと
死んじゃうだろうな。
『……おい』
「みんな好き勝手言って……冗談じゃないわよ」

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