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毒舌
第15章 誤解、発覚、……嵐の海で
少し遅れて
香島さんがやって来た。
何気に
すでにどこか
お疲れな感じがして
同情を禁じ得ない。
「あ、はじめまして、香島です」
「はじめましてー。一華でーす。……。・・・香島さん?あれ、どこかで聞いたな、カシマ、カシマ、カ、シ、マ……?」
イッちゃんが
ニコニコスマイルのままで
一休さんの
とんちタイムみたいに
考え始めて
それと同時に
香島さんは香島さんで
あれ、って顔。
「……もしかしてモデルの一華さん?」
「そおなの、あたしモデルの一華。ていうか――」
それまで
営業スマイル並みに
ニコニコしてたはずの
イッちゃんが
ギラリ、と
目付きを変えた。
「お前か香島ぁ!ここで会ったが百年目だな!」
突然に叫んで
イッちゃんが
長い足でハイキック、
香島さんの頭目掛けて
上段の蹴りを炸裂させた
冗談じゃないわっ!
サンダルの砂が
辺りにパッと舞って
私は
あんぐり
口を開けた。

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