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毒舌
第9章 均衡
こんなにションボリされたら
キスくらいいいかな、とか
思ってしまうよ。
「い、いいの?琴美」
「ん。でも途中でスイッチ入って暴走したらゴメン。制御出来なくて」
「???大丈夫あたしも暴走するからっ」
『お前らどっちも大丈夫じゃねえよ』
呆れた感じの
トビの声なんか
イッちゃんには届かない。
イッちゃんは
超緊張しながら
恐る恐るそっとキスした。
まるで
思春期に
はじめてキスする
中学生みたいな
触れるだけの
ぎこちないキスだった。
イッちゃんらしくて
なんだか可笑しい。
「イッちゃん昔からモテるのに。めちゃめちゃ奥手だよね」
「うわわ琴美とキスしたあたしぃ」
「満足した?」

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