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half. ~Sweet blood~
第12章 幸せは、誰にでも…

「達希、家でよけりゃゆっくりしてけよ。部屋も余ってんだしな」
「ユキチャンは変わらず優しいね、ありがと」
白瀬が亡くなった。そう話す達希の表情はたどこかスッキリしていたようにみえた。使用人や執事が沢山いて、豪邸の庭で撮ったであろう写真…それだけが達希が持っている、白瀬の思い出の遺品。
「これ以外はいらないんだ。捨ててきた…だって俺のここで父さんは生きてるから」
写真を胸に当て、瞼を閉じる。
《素直でいいこだ》
ほら、感じれる。あの暖かな手が俺の頭を撫で褒めてくれるんだ。
「達希…」
「ユキチャン…俺の事見捨てないでいてくれてありがと。こんな奴なのに…」
「礼はいいから、お前も園手伝えよな」
「うん」
こんな笑顔もうみる事なんてないと思ってた。あんな状況から立ち直りたいと、俺を頼りに施設にきた。
俺がしてやれる事…
もう中途半端にはしない…

