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近くて甘い
第38章 花の都は愛の都
「ごめんなさいっ…私っ…あなたが光瑠さんに迫ってると勘違いしちゃってっ…本当に失礼しましたっ…!」




深く深く頭を下げている間に私の言葉を酒田さんがフランス語に訳してくれていた。



どうしようっ…私のせいで光瑠さんの仕事に支障が出ちゃったらっ…



中々顔を上げられないまま冷や汗が流れるのを感じていたら、急に笑い声が聞こえてきて、思わずびっくりし顔を上げた。




ペラペラと彼女は話すと、最後に私にウィンクをしてきた。




よかったっ…
なんとなく怒ってないみたいだけど
なんて言ったんだろうっ…





「おいっ…!酒田訳せっ!」




私の背後で光瑠さんが叫ぶ。




酒田さんの方を見ると、びっくりしたように目を見開いたあと、咳払いをして私と光瑠さんの方を向いた。




「えっと…『誤解させてしまってごめんなさい。でも安心して?確かに彼は素敵だけど、私レズビアンだから…』」



「えっ…」



「…なるほど…」



「あっ…えと…まだ続きが…」




何故か少しだけ言い淀む酒田さんは、目を泳がせて、頬をかいたあと恐る恐る口を開いた。




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