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第38章 花の都は愛の都

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「多分あと30分くらいで終わると思うので、そちらの席に座っていていただけますか？あっ…真希さんお腹空いてます…？」




ペラペラと話しながら、酒田は返事が返ってこないことに首を傾げた。




目を大きく見開いた真希の視線の先を見て酒田は苦笑いした。




通訳である自分が一時去ったからか、デザイナーのアリーヌに話し掛けてられて、どうしていいか分からずに困り果てている光瑠の姿がある…




身を乗り出した彼女は、光瑠のネクタイを掴んで、微笑んでいた…



『このネクタイすごいいいわっ！私今度ネクタイのデザイン頼まれてて───…』




微かに聞こえてくるアリーヌのフランス語。



「真希さん、彼女が有名デザイナーのアリーヌさんと言って──」




あれっ…？



横を見たら、真希の姿がないのに酒田はびっくりして周りを見渡した。




どこにいったんだっ…!?




慌てていると、光瑠の方に走っていった真希の姿を発見して、酒田はヒィッと小さく声を上げた。