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第38章 花の都は愛の都

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車の扉が開いて、私は息を飲んだ。



高級感漂うホテル…



どうしようっ…ちょっと考えれば分かることだったのに、普段着で来ちゃったよっ…




「到着いたしました…」



「ありがとうございますっ…」





ここに光瑠さんがいる…


涙が出そうになっていると入り口の方から酒田さんが走って来た。




見慣れた顔に安心して私は目を見開いた。




「真希さんっ…本当にいらっしゃるだなんてっ…」




はぁはぁと息を整えながら、酒田さんは同時に髪を整えた。




「はい…来たはいいんですけどこの格好で──」



「まさか忘れものが真希さんの事だなんて思いも寄りませんでしたっ…」


「え？？」





忘れ物って何のことだろう…？？？




おでこに手を当てた酒田さんはハハハと楽しそうに笑った。



「あの…」



「本当に関根さんはいい男だ──…
それに社長に負けず劣らず突拍子もないことをする…」





ニコッと笑った酒田さんはそう呟いて、私のことを導いた。