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第38章 花の都は愛の都

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「うまくいくといいよねぇ…」


「ええ、本当に…」




有川邸の真希の部屋で、梨子と愛花は衣装を縫いながらそんな会話をしていた。




「梨子〜！これなんか手のとこ長いんだけどぉ」





まるでお化けのように伸びた袖で、亮が梨子に泣きつく。




「ああ…はいはい…」




呆れた様子で、亮に近付いて袖の調節をする梨子のことを見ながら、愛花は微笑んだ。




本当に素敵なカップル…。



幸せそうで…そして楽しそう…





「なぁ梨子、俺、これきついからもう少し大きく作ってもらえる？」




仕切りから姿を現した浩平は、執事の衣装を持ちながら梨子に近付いた。





「えぇ…まじで？あんた太ったでしょ！」


「はぁっ!? 太ってねーよ！最近鍛えたから胸板が出来て来たんだよ」



「…なにそれ…もぉ…ごめん愛花ちゃん！浩平の採寸やり直してくれる？私こっちやらなきゃだから…」



「えっ…」




突然任命された愛花は動揺しながら、浩平のことを見た。