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近くて甘い
第37章 立つ悪女は跡を濁す

戸惑った様子で目を潤ませて真希は要のことを見つめる。
前に進めるようになったとは言え、まだ彼女を前にすると切ない気持ちが胸いっぱいに広がる…
「真希さん…何度も連絡をしましたっ…」
「ごめんなさい……私…何を話したらいいか分からなくて…っ」
「別に僕はあなたの話が聞きたくて連絡したんじゃありません!」
少し強めに言われて真希がびっくりしたように身体をビクンとしならせた。
───────────媚薬なんかに屈した俺が悪い…
パリに発つ前の社長の言葉が忘れられない…
いけない…
このままではダメだ…

