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第5章 『俺』の気持ち

(白取に踊らされたんだな)
元々、塚本は威張り散らすだけで考えがない。
翔と琉が兄弟である事、
そしてその翔と白取が取引相手である事を利用しようとしたのだろう。
「だから、何ですか?」
琉がそんな事では怯まないのはある程度覚悟していたのか、塚本はふいっと視線を佐藤へと向けた。
「ふん、まぁいい。千葉くんはいるか?」
「居ませんよ」
目を泳がせて動揺する佐藤の前で、さらりと言った琉を、塚本は苛立たしげに睨み付けた。
「ん? あれ? 塚本さん?」
部署への入口付近での三人のやり取りに気付き、現部長の町田がこちらへと歩いてくる。
「町田くん、千葉くんはいるか?」
「千葉?」
「愛里咲の旧姓です」
塚本が部長だったのは、琉と愛里咲が結婚する前の話だ。
琉の説明に、町田は大きく頷いた。
元々、塚本は威張り散らすだけで考えがない。
翔と琉が兄弟である事、
そしてその翔と白取が取引相手である事を利用しようとしたのだろう。
「だから、何ですか?」
琉がそんな事では怯まないのはある程度覚悟していたのか、塚本はふいっと視線を佐藤へと向けた。
「ふん、まぁいい。千葉くんはいるか?」
「居ませんよ」
目を泳がせて動揺する佐藤の前で、さらりと言った琉を、塚本は苛立たしげに睨み付けた。
「ん? あれ? 塚本さん?」
部署への入口付近での三人のやり取りに気付き、現部長の町田がこちらへと歩いてくる。
「町田くん、千葉くんはいるか?」
「千葉?」
「愛里咲の旧姓です」
塚本が部長だったのは、琉と愛里咲が結婚する前の話だ。
琉の説明に、町田は大きく頷いた。

