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「私が欲しいですか?お嬢様」
第31章 専属〜誓いをふたたび〜
目の前にいるのは
間違いなく颯太さんだ…
彩芽は颯太を求め
手を伸ばすと
颯太もまた手を伸ばした。
指先がゆっくりと触れる。
「夢…じゃない…」
彩芽の言葉にクスッと笑う。
「夢じゃありませんね…」
彩芽だけじゃない、
颯太もまた、これが現実なのか
わからずにいた。
指先が触れ、絡み合う。
聞きたいことはたくさんある。
どうしてここに?
どうして連絡くれなかったの?
どうして…?
けれど、それよりも先に。
それよりも先に。
彩芽が言う前に
颯太はその声に、その言葉に
彩芽への気持ちを溢れさせた。
「抱きしめていいですか?」

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