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第15章 『連鎖』

「ねぇ…この女…なに呑気に寝てるの？」


般若の面は更に目を見開いて、憎悪の眼差しで麻里を睨み続ける。


「ひ…宏実…なんで…ここに…」


「それはこっちの台詞よ！」


そう…怒りに満ちた宏実の顔は、綺麗な顔なだけに迫力を増していた。


状況が冷静に判断出来ない…
色んな疑問が頭の中で、凄い勢いで渦巻いていく。


とにかく、宏実がここに来た理由は何なのかだ。


「何を怒ってるか解らないが…麻里は今昏睡していて…話せる状況じゃないんだよ…」


端的に状況を伝えたが、宏実は更に逆上して


「煩いわね！この泥棒ネコがっ！兼子だけじゃ飽きたらず、財産まで奪って！起きなさいっ！」


宏実は手に持っていたバックを横たわる麻里に力一杯投げ付けた。