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第10章 定期試験

そして私は気まずさを抱えたまま、放課後化学室の前に立っていた。

(プリント、貰うだけ…だし。)

覚悟を決め扉を開けると、私はそのまま奥に入って行った。

「失礼しまーす…」

中に入ると、相変わらず先生はコーヒーを片手に椅子に座っていた。

ただ前までと違うのは、しっかりと私の方を見たままの態勢で座っているということだった。

「あの…プリント…」

目を合わせられずそれだけ言うと、先生はため息をついて机から一枚取り出し立ち上がった。

そのまま近づいてくる先生に思わず体を引いた。

「…」

一瞬歪め、またすぐに戻る先生の表情に少し胸が痛む。


勝手に怒った気まずさ感じて、そっけない態度をとる自分に罪悪感が広がっていった。