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二泊三日の陵辱/浅山知代、十八歳
第2章 二人目の陵辱者
「あ…」

 ちょうど同じタイミングで隣の部屋からスーツ姿の男が出てきた。まだ若い。細身で冴えない印象の男だ。中年で小太りの権田とは随分印象が違う。見た目だけで言ったら正反対と言ってもいい。それでも散々に犯された直後のせいか、男というだけでつい距離を置いてしまう。エレベーターを待つ間、気まずい沈黙が漂う。

 何やら声をかけようとして迷ってでもいるような、そんな気配を背後から感じるが、知り合いでもない男に声をかけられる理由もない。
 
 きっと勘違いだ。知代はそう思った。
 あんなことをされた直後だから男性に対して不必要なほど警戒をしてしまっている自分を自覚していた。

 エレベーター着きドアが開く。一瞬権田がいたらどうしようかと緊張したもののそれは余計な心配だった。権田の部屋は別のフロアだ。喫煙者の権田は煙草が吸える喫煙フロアに部屋の部屋に泊まっている。
 何事もなく乗り合わせた男と共に一階に降り朝食会場でコーヒーとフルーツで簡単な朝食を済ませた。一緒にエレベーターに乗った男性も向こうの方で同じく食事をしているのが見えた。

 ゆっくりとコーヒーを飲み、だいぶ気持ちが落ち着いた。何とか今日をやり過ごそう。権田と一緒に働くには辛いが今日と明日の二日間だけの辛抱だ。集合の時間が近くなって知代はもう一度「頑張れ私」と心の中でつぶやいて席を立った。
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