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華のしずく~あなた色に染められて~
第3章 【華のしずく】~夏雷~
 珠々はつとめて明るさを装った。
―いけない、私はこの方に生涯ついてゆくと心に決めたのだ。
 この世に真の平和をと願う信成の理想に打たれ、信成が見事泰平の世を築くまで傍にいて少しでも力になりたい―、そう思ったのだ。
 信成が安堵して戦に赴けるために、自分は心安らぐ存在になるのだと珠々は一途に思っていた。そのためには、信成を心配させるような振る舞いをしてはならない。たとえ何があったとしても、信成の前では、いつも笑顔でいるようにしたいと願う珠々であった。
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