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魅惑~甘く溺れる心と身体。
第10章 ラブラブデートで蕩ける身体。
「ゆ、唯斗さっ!」
「ごめんね。可愛かったから、つい」
にっこり悪びれずに謝る唯斗さんは、目の奥に光が宿っていて、狼狽えるあたしを見てどこか楽しんでいるみたいだ。
……うう。
面白がられてる。
ま、負けたくない。
負けないもん!
そもそも唯斗さんを誘惑しよう大作戦実行中のあたしがここで恥ずかしがっていたら何も始まらない。
だからあたしも負けじと背伸びして、唯斗さんのほっぺたにキスをした。
リップ音がやけに大きく聞こえます。
公の場で止めておけば良かったと今さら後悔してしまう。
あうう、行き交う人の視線もすっごく感じます。
あたしね、唯斗さんとたくさんエッチしているはずなんだよ?
玄関とかお部屋とか、バスルームとか!
だけど……。
どうして?
エッチするよりもずっとずっと恥ずかしい。
それに、手を繋ぐだけでもドキドキする。
「――っつ」
恥ずかしいッ!
恥ずかしさに堪えられなくてあたしは唯斗さんと繋いだ手を引っ張って、無言のまま大股で歩き出す。
後ろ手は唯斗さんの笑う声が聞こえる。
――大人の余裕?
あたしにはそんなものはありません!
「澪ちゃん、そんなに急がなくても映画館は逃げないよ?」
もう、もうもうもうっ!
「唯斗さんの意地悪っ!」
顔はやっぱりトマトのまま……。
ほっぺたを膨らませて抗議するあたし。
だけどやっぱり唯斗さんはクスクス笑うばかり。
きっと耳までトマトなんだろうな。
ドックン、ドックン。
今日、あたしの心臓は保っていられるのだろうか。

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