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魅惑~甘く溺れる心と身体。
第9章 なつめと大根。
◆
既成事実を作ってやる!
そう意気込んだあたしだけど、なかなか思い通りにはならない。
いつもよりずっと子宮を刺激していたからかな、生理が3日くらい早くきた。
そんなあたしの生理痛はそれはそれは酷いもので、たとえ痛み止めのお薬を飲んだとしても、身悶えするくらいの痛みが襲うんだ。
でもね、今あたしがいるのは唯斗さんのお家であって、お父さんじゃない。
恋敵、姫実花さんに勝つには、のんびりなんてしていられない。
生理中だからセックスは難しいとしても、せめて家事くらいはしなきゃ幻滅される。
唯斗さんとはどうしても両想いになりたい。
あたしの世界には唯斗さんっていう男性がとても必要だから……。
そんな現在は朝7時。
唯斗さんの、今日のスケジュールはリモートワークで、13時からオンライン会議があるみたい。
それまではゆっくりめの朝を迎えられるらしい。
あたしはそんな唯斗さんに今からお味噌汁と焼き魚を――って思っていたんだけど……。
ガシャンッ!
「――っつ!」
しまった!
お湯が入ったお鍋ごと、シンクにひっくり返してしまった。
薄揚げをお湯抜きしようとしたら、突然お腹に鈍い痛みが走って蹲ったらこうなった。
幸い身体にはかからなかったけれど、床の上はお湯でびしょびしょ。
挙げ句の果てにはお玉やらお皿やらが散乱してしまっている。
たぶん、お皿は割れてはいないと思うけれど、それも定かではない。
「――っ……痛」
床、拭かなきゃ。
後片付けしなきゃ。
立ち上がろうとすると、お腹に激痛が走る。

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