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魅惑~甘く溺れる心と身体。
第16章 さようならを貴方に~誰かあたしを拾って愛して。

 行為の途中で家を出たからブラもスカートもない。
 着る元気もなくて、ただキャリーケースに突っ込んだ。
 今、あたしが身に着けているのは紐のショーツと太腿丈までの薄手のニットだけ――。

 夏用の編み目の粗いニットだから、ほんの少し肌が透けて見えているだろう。

「そんなことはないよ。大学生かな?」
「2年です」
 訊ねられてコクンと頷くと、おじさんが唾を飲む音が聞こえた。



「そうか……。となるとまだ20歳かな? 若いねぇ、くびれもあるし。その年齢にしてはおっぱいも大きいね、十分色っぽいと思うよ?」


 円を描くようにして、おじさんの分厚い手があたしの膝を擦る。

 あたしに触れているのは唯斗さんじゃない。
 それなのに、身体は勝手に期待する。
 未だに身体の奥でがくすぶっている熱がふたたび宿しはじめていた。

「でも、好きな人を落とせませんでした……」
「……それは相手が見る目がないだけだと思うよ? だっておじさんのここはほら、君を見て勃起してる」
 おじさんはそう言うとあたしの手に触れて、自らの太腿の間に運ばせた。
 おじさんのペニスはしっかり勃ち上がっている。
 ああ、あたし、求められている……。

 もしかしてここで犯されるかもしれない。
 そう思った時、身体が打ち震えるのを感じた。
 乳首がツンと尖って胸が張り詰める。
 子宮がきゅっと閉まるのを感じた。

 本来なら知らないおじさんに、しかも酔っぱらいを相手にするなんて嫌悪するところなのに、明らかに身体が悦んでいる。


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