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魅惑~甘く溺れる心と身体。
第13章 危険な罠、ふたつの欲望の前にただ狂い咲く……。
恋人同士になれるかもしれない。
「あたしが勝ったら、口を挟まないでくれますか?」
「もちろん。その代わり、もし森野が澪ちゃんのことを好きじゃないと判れば、付き合ってもらうからね」
「それはっ!」
「知りたいんでしょう? 森野が澪ちゃんのことをどう思っているのか」
「――はい」
こくん。
あたしは迷わず正直に頷いた。
「だったら手助けしてあげる。でもそれでダメだったら、俺とのことも考えてよ。この賭け、理にかなったものだと思うんだよね。だって澪ちゃんは森野の本心を聞ける。恋に破れても俺が貰ってあげるっていうんだから、ね? もし振られたら、森野のこと、思い出せないくらい忘れさせてあげる」
危険な提案だと思う。
だけど、このまま唯斗さんとずるずるこの関係性を続けるつもりはない。
でもきっと……。
唯斗さんに振られることを考えるのはとても辛いことだけど、そうなった時も、あたしは唯斗さんを忘れることはできないと思うし、須藤さんに気持ちが傾くとも思えない。
この賭けはきっと無意味。
だけど――。
だったら――。
「あたしと唯斗さんのこと、誰にも言わないって約束してくれる?」
訊ねると――。
「勿論!」
須藤さんはにっこり笑った。
あたしは握り締めたTシャツの裾を離し、そのまま手のひらをぎゅっと握った。
「その賭け、乗ります!」

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