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魅惑~甘く溺れる心と身体。
第12章 いざ、情報収集のためにっ!
あ、いた。
そんな須藤さんは70代くらいのお婆ちゃんに道を訊かれているっぽい。
はっきりとした聞き取りやすい声でゆっくり伝えていた。
こうやって傍から見ると好青年なんだけどね。
多分、根っからの悪い人、っていうわけじゃないんだ。
ただ、プレイボーイなだけで……。
う~ん。
それってどうなんだろうと心の中で突っ込みつつ、お婆ちゃんの道案内を終えた頃合いを見て歩み寄った。
「ごめんなさい。少し遅れました」
「全然大丈夫。澪ちゃんとのデートが待ち遠しくて少し早く来すぎちゃったんだよ」
さすがプレイボーイ。
そういうキザな科白もさらっと言う。
だけどあたしには唯斗さんがいるからそういう言葉はまったく響かないわけで……。
「あ、そうですか」
にっこり笑って受け流す。
「ガード強っ」
「まあ、だって相手は須藤さんですし」
あたしが胸張って言うと、須藤さんは、「そこ、全然説得力ないし」と苦笑いした。
「ご飯何が食べたい?」
「須藤さんは食べたいものないんですか?」
「澪ちゃんが――」
「はいはい、そういうの求めてないです」
なんかイチイチこの会話に持ってこようとするのがボケとツッコミみたいに思えてくるから不思議。
気がつけば、いつの間にか緊張が解れはじめていた。
結局、このモールの中で美味しいお寿司屋さんがあるとこのことで、そこに落ち着いた。

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