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僕の愛する未亡人
第8章 はじめての夜
その言葉に、佳織の唇から吐息が漏れた。そして佳織は、そっと首筋に唇を寄せる。
佳織からすれば、とても大胆な行動だった。そのことがわかるからこそ、冴子の心臓が大きく跳ねる。
「聞いてるかもしれないけど……佐藤くんの体に……触ったのは初めてじゃなくて」
佳織は言いながら、冴子の肩や腕を撫でる。
腹の奥に甘い痺れが広がるのを感じつつ、冴子は平静を装う。
「な、何が言いたいかって言うと……その時も、今日も飯塚さんのおかげだと思う」
「え?」
冴子は緊張しながら聞いていたのだが、その糸が突然の告白にゆるむ。思わず目を丸くした。
佳織は恥じらうように視線を逸らし、それでも指先は冴子の肩をなぞり続けていた。
「職場で……佐藤くんのスーツから飯塚さんの香水の匂いがしたの」
「――匂い? わからないですけど……」
親指で顎をさすりながら考えるが、本当に思い出せなかった。以前理央と寝た時は土曜日だった。それに例の職場での出来事は先月のことだったはずだ。時期がかけ離れている。
「最近、二人で外回り……行ってるでしょ。あなたが佐藤くんに何かしたんじゃないかと勝手に思って……」
恥ずかしそうに、佳織は冴子の胸に顔を埋めた。
「十年前のセクハラの噂も……本当なんじゃないかって。それで会社で、佐藤くんの体に触ったの。むしろあたしの方が……セクハラどころかって感じだし……」
「――思い出しました。初めての外回りの時の話をされてますよね?」
冴子はわずかに笑みを浮かべ、あえて軽い調子で続ける。
「いつもの飄々とした態度で「ぎゅーしていい?」って言ってきた時に、匂いがついたんだと思います」
あくまで冴子は、職場での出来事を深入りせず、さらりと受け流す。その態度に、佳織の頬がさらに熱くなる。
「そのせいで、嫉妬したの。夫以外はまだ無理だって拒んでたんだけど……他の人が羨ましいと思ったんだから、とっくに、佐藤くんに対する気持ちがあるのよね」
佳織は冴子の胸元で小さく息をついた。指先はまだ冴子の腕を撫でていて、その震えが伝わる。
「だから、飯塚さんがいなかったら、そんな風になってない。今日も……もし佐藤くんしかいなかったら、拒むだけで終わってたと思う」
佳織からすれば、とても大胆な行動だった。そのことがわかるからこそ、冴子の心臓が大きく跳ねる。
「聞いてるかもしれないけど……佐藤くんの体に……触ったのは初めてじゃなくて」
佳織は言いながら、冴子の肩や腕を撫でる。
腹の奥に甘い痺れが広がるのを感じつつ、冴子は平静を装う。
「な、何が言いたいかって言うと……その時も、今日も飯塚さんのおかげだと思う」
「え?」
冴子は緊張しながら聞いていたのだが、その糸が突然の告白にゆるむ。思わず目を丸くした。
佳織は恥じらうように視線を逸らし、それでも指先は冴子の肩をなぞり続けていた。
「職場で……佐藤くんのスーツから飯塚さんの香水の匂いがしたの」
「――匂い? わからないですけど……」
親指で顎をさすりながら考えるが、本当に思い出せなかった。以前理央と寝た時は土曜日だった。それに例の職場での出来事は先月のことだったはずだ。時期がかけ離れている。
「最近、二人で外回り……行ってるでしょ。あなたが佐藤くんに何かしたんじゃないかと勝手に思って……」
恥ずかしそうに、佳織は冴子の胸に顔を埋めた。
「十年前のセクハラの噂も……本当なんじゃないかって。それで会社で、佐藤くんの体に触ったの。むしろあたしの方が……セクハラどころかって感じだし……」
「――思い出しました。初めての外回りの時の話をされてますよね?」
冴子はわずかに笑みを浮かべ、あえて軽い調子で続ける。
「いつもの飄々とした態度で「ぎゅーしていい?」って言ってきた時に、匂いがついたんだと思います」
あくまで冴子は、職場での出来事を深入りせず、さらりと受け流す。その態度に、佳織の頬がさらに熱くなる。
「そのせいで、嫉妬したの。夫以外はまだ無理だって拒んでたんだけど……他の人が羨ましいと思ったんだから、とっくに、佐藤くんに対する気持ちがあるのよね」
佳織は冴子の胸元で小さく息をついた。指先はまだ冴子の腕を撫でていて、その震えが伝わる。
「だから、飯塚さんがいなかったら、そんな風になってない。今日も……もし佐藤くんしかいなかったら、拒むだけで終わってたと思う」

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