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僕の愛する未亡人
第15章 欲しがる未亡人 本間佳織④
更衣室の時のように、軽くグーの形を作った後、手の甲で佳織の頬を撫でる。
ひんやりと冷たい感触とは反対に、佳織の頬は熱い。
「――ちゃんと聞きますから」
冴子は右肘を机の上に乗せて、手のひらで顎を支えながら言う。
きらりと目元のほくろが光った気がした。
「ん……わから、なくて」
「わからない?」
「な、何で……声掛けたのか……」
冴子は机の上の佳織の手に、そっと自分の左手を重ねた。
爪の先がかすかに触れる。
「飯塚さんがいたから、お付き合い……できたと思うの。でも、飯塚さんに嫉妬してるわけじゃなくて……」
「うん」
ひんやりとした冴子の手が、佳織の手を撫でるようにする度に少しずつ熱を持っていく。
「昨日も……佐藤くんと、その……したんだけど」
「――でも、あたしともしたい?」
その核心をつくような問いに、佳織の心臓が震える。
佳織は言葉を失った。会社であんな行動に出ておいて、さすがに「違う」とは言えなかった。
「……それ、どういう感覚なんだろう」
囁くような声が、佳織の耳の奥に落ちる。
「わ、わかんない……。というか、佐藤くんと、飯塚さんに関係の継続があっても、嫌じゃないと思う…。多分」
さすがの冴子も目を瞬きさせ、一瞬、言葉を失った。
その表情に、いつもの余裕が少し失われているのがわかる。
「……寝取られてると思うと興奮するってこと? 別に、する分にはいくらでもできるけど…」
ゆっくりと尋ねる冴子の声には、わずかな戸惑いが混じっていた。
「そもそも佐藤くんはもう、あたしとしたいと思わないんじゃないですか。会社の女性と食事さえ避ける彼があたしを誘ったのは、上司としての信頼があったのと、本間さんの代わりとして扱いたかったからだと思うので」
「――でも多分佐藤くんは、飯塚さんにしたみたいに、あたしのこと扱ってないよ」
佳織は唇を噛んだ。
「優しいところは好き。でも――飯塚さんとの信頼関係より、あたしに対する気持ちの方が薄く見えちゃう」
それを聞いた冴子はため息をついたが、微笑んで言う。
「それは、単なる上司としての信頼関係ですよ。恋人のそれとは全然違うじゃないですか」
ひんやりと冷たい感触とは反対に、佳織の頬は熱い。
「――ちゃんと聞きますから」
冴子は右肘を机の上に乗せて、手のひらで顎を支えながら言う。
きらりと目元のほくろが光った気がした。
「ん……わから、なくて」
「わからない?」
「な、何で……声掛けたのか……」
冴子は机の上の佳織の手に、そっと自分の左手を重ねた。
爪の先がかすかに触れる。
「飯塚さんがいたから、お付き合い……できたと思うの。でも、飯塚さんに嫉妬してるわけじゃなくて……」
「うん」
ひんやりとした冴子の手が、佳織の手を撫でるようにする度に少しずつ熱を持っていく。
「昨日も……佐藤くんと、その……したんだけど」
「――でも、あたしともしたい?」
その核心をつくような問いに、佳織の心臓が震える。
佳織は言葉を失った。会社であんな行動に出ておいて、さすがに「違う」とは言えなかった。
「……それ、どういう感覚なんだろう」
囁くような声が、佳織の耳の奥に落ちる。
「わ、わかんない……。というか、佐藤くんと、飯塚さんに関係の継続があっても、嫌じゃないと思う…。多分」
さすがの冴子も目を瞬きさせ、一瞬、言葉を失った。
その表情に、いつもの余裕が少し失われているのがわかる。
「……寝取られてると思うと興奮するってこと? 別に、する分にはいくらでもできるけど…」
ゆっくりと尋ねる冴子の声には、わずかな戸惑いが混じっていた。
「そもそも佐藤くんはもう、あたしとしたいと思わないんじゃないですか。会社の女性と食事さえ避ける彼があたしを誘ったのは、上司としての信頼があったのと、本間さんの代わりとして扱いたかったからだと思うので」
「――でも多分佐藤くんは、飯塚さんにしたみたいに、あたしのこと扱ってないよ」
佳織は唇を噛んだ。
「優しいところは好き。でも――飯塚さんとの信頼関係より、あたしに対する気持ちの方が薄く見えちゃう」
それを聞いた冴子はため息をついたが、微笑んで言う。
「それは、単なる上司としての信頼関係ですよ。恋人のそれとは全然違うじゃないですか」

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