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僕の母さん
第11章 それぞれの姫始め

「明けましておめでとうございま~す!」

新年早々、ハイテンションな佐智子がやって来た。
その背後で「ママ、恥ずかしいから大きな声を出さないでよ」と、どちらが保護者なのかわからないほど落ち着いている彩也香の声もした。

「明けましておめでとうございます。
ちょうどよかったわ、簡易テーブルを出すのを手伝ってもらえる?」

昨夜は中途半端な性交で、きっと母の真弓はムラムラした一夜を過ごし、眠れなかっただろうと思いきや、意外とサバサバしているようで、真弓の部屋に入れてもらえなくてムラムラしたまま朝を迎えて不機嫌な達郎とは段違いだった。

「ほら、男の子なんだから力仕事は達郎の役目でしょ!」

新年の挨拶もそこそこに、彩也香が男らしいところをアピールしなさいよ達郎の尻を叩く。

「ったく!人を召し使いみたいに扱うなよ」

新年会なら、この四人ですればいいじゃんと達郎は悪態をついた。
それなら簡易テーブルを用意しなくても、四人掛けのテーブルでまかなえるのだから。

「こういうお祝い事はね、人数が多いほど楽しいのよ」

テーブルにおせち料理を並べながら、
真弓の尻は嬉しそうに揺れていた。

昨夜…いつもの母なら中途半端で終わらずに、最後まで抱いて欲しいとおねだりするはずなのに、やけにあっさりと寝室に逃げ込んだのは、この日に招く『彼氏』とやらに貞操をたてたって事か?
そう思うと、達郎はますます不機嫌になってゆく。
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