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第3章 その手の先にある熱

シーツの中、恒星の熱が私を溶かしていく。

指先が、唇が、肌をなぞるたび、もう自分がどこまで理性を保っているのか分からない。

軽く重ねられた唇が、今度は首筋に落ちて、ちゅ、と音を立てた。

ぞくりと背筋が震えた。

「……なんで、そんなに優しいの」

そうつぶやいた私の声に、恒星がふっと笑う。

「凛さんにだけだから。……こんなの、他の誰にもしたくない」

その言葉が、喉の奥で引っかかる。

甘いのに、少しだけ苦い。

それはただの口説き文句じゃなかった。

恒星の手が、私の髪を梳くように撫でながら、真剣な目で覗き込んでくる。

まるで、言葉より先に想いを伝えようとするように。