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マネージャーは知らなかった、彼の欲望
第3章 その手の先にある熱
「凛さん……もう、いいでしょ?」

低く甘い声が、耳元に触れた瞬間、背筋がふるりと震えた。

恒星の瞳はまっすぐで、わたしのどんな曖昧な逃げ道も見逃してくれなさそうだった。

「俺、ずっと我慢してたよ。だから今は……もう、いいよね?」

そう言って伸ばされた指先が、私の髪に触れる。

それだけなのに、心の奥に火が灯る。

彼の手が、首筋に滑り落ちた。
くすぐったくて、熱を孕んだその感触に、思わず目を伏せた。

「……あなた、ほんとに年下?」

「俺ばっかり大人扱いするからでしょ。でも今夜は、凛さんが困るくらい、俺のこと“男”だってわかってもらうよ」

そんな台詞、ずるい。

どこで覚えたのかって言いたくなるけど、もう言葉にできる余裕もない。
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