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巫女は鬼の甘檻に囚われる
第8章 鬼と巫女の攻防

彼女の頬は赤く染まり、唇は濡れて光っている。
鬼は満足そうに微笑み、彼女の首筋に唇を寄せ、鎖骨に、胸元に、ゆっくりと口付けを繰り返す。まるで彼女の肌に宿る媚薬を味わい尽くすかのように。
「‥ぁ‥‥//」
「何よりも俺の興味を引き、穢したいと思わせてくるお前こそ──この世の最たる美しさだとは思わんか」
胸の膨らみに舌を這わせて、鬼は囁く。声には欲望と、どこか純粋な執着が混じる。
巫女は息を乱しながら、鬼の言葉に抗うように目を閉じた。
「はぁ、はぁ……!それ、はっ…あなたの錯覚です」
「……」
「仮に、わたしを美しいと思うなら……なぜその美しさを壊そうとするのですか……!?本当に美しいものを愛でるなら、それを守りっ…、慈しむべきではありませんか」
「……?」
鬼は一瞬、動きを止めた。
彼女の言葉が、彼の心の奥に何かしらの波紋を広げたようだった。
「守る……だと? 馬鹿げたコトを。俺はお前を俺のものとして、俺の色に穢し、永遠にこの手で握り潰す」
「それではあなたはっ……決して本当の美しさを知ることはできません」
巫女は静かに、しかし力強く言い放つ。
「美しさは、壊すことで輝くものではありません。共に生き…共に時を重ねることで、初めてその深さがわかるのです…!」
「……っ」
鬼は彼女の言葉にハッとしたかと思うと、目尻を鋭くあげて明確な苛立ちを見せた。
「お前の言うコトは、まるで呪いだな」
鬼は唸る。

